パーフェクトヒューマン(漫画)ネタバレ 第1話 高橋一仁
当ブログは、雑誌「週刊漫画TIMES」で連載されている漫画「パーフェクト ヒューマン」のあらすじやネタバレ結末、感想をまとめてご案内しております。
作者の高橋一仁先生は、人気作「オーダーメイド」で有名な漫画家さんです。
新作の「パーフェクト ヒューマン」は『容姿も性格も完璧な万能のプロボクサー大学生』世良優人を主人公に、同じ顔をした5人の青年が1人の男を演じている、という謎に満ちたサスペンスストーリーとなっています。
作品名:「パーフェクト ヒューマン」
作者:高橋一仁
「パーフェクト ヒューマン」第一話あらすじとネタバレ
本物の悪魔の姿とは
本物の悪魔とは、多くの人が思い描くような暗闇にひそむ醜い化物ではないーー
本物の悪魔は、まるで天使のように美しい顔で、脚光を浴びてスポットライトの下で拍手で迎えられるような人間だ。
彗星のように現れた天才ボクサー
史上初、高校8冠を得た深海龍牙のプロデビュー決定戦にチャレンジしたのは、美形の無名ボクサーだった。
誰もが期待する無敗の龍牙に、観客たちは龍牙の勝利を確信していた。
だが、試合がひとたび始まると歓声が止まってしまう。
目にも留まらぬ速さで龍牙が無名の新人にKOされてしまったからだ。
その男の名前は、世良優人。
見目麗しく、最高学府である帝都大学の法学部に入学予定の優秀さに、一気にボクシング界のアイドルとなる。
サウスポーではなく右利き?
周囲からの評価も非の打ち所がない、衝撃的なデビューを飾った世良優人は、早速ベテランボクサーとの次の試合をする。
前の試合でサウスポーだと左を警戒していた対戦相手は、試合でいきなり右ストレートでKOされてしまう。
どういうことだ、本当は右利きなのか!?
マットに沈んでいく対戦相手を冷たい目で見下ろしたあと、優人はさわやかそうな笑顔を浮かべて観客に答える。
「応援ありがとうございました!
これからもみなさんに喜んでもらえるようがんばります!!」
助けられたお礼をしに試合を見物する女
ボクシングに興味がないのに、彼を見に試合にやってきた女性がひとりそこにいた。
その女性・遠藤一華は夜遅くの公園で変な男に襲われそうになっていたところを、優人と思しき男性に助けられた過去があった。
テレビで彼を見て「あなたが、私の王子様?」と思った一華は試合で勝利した優人に声をかけた。
「世良さん、わたしのこと覚えてませんか?
どうしてもお礼が言いたくて、あの時ありがとうございました!」
「・・・ああ、覚えているよ。見に来てくれたんだ」
優人はあっさりと一華のことを思い出した様子で、あとで会いにいくから待っていてくれ、と告げる。
抜き打ちドーピング検査
試合終了後、テレビを見て彼がドーピングをしていると確信したアンチ・ドーピング協会の沼地が抜き打ち検査をしに来た。
なんの動揺もなく、言われるままに検査に協力する優人。検査の結果は、もちろんシロだった。
勘違い!?優人に襲われ告発するも別人
言われた場所で待っていた一華は、優人の車に乗ってもう一度お礼を言う。
ところが、優人は車で彼女をホテルに連れ込んで、あの優しい男性とはまったく違う人物に豹変してしまった。
抵抗するも、顔を殴られてボロボロにされてしまう。
一華は翌日、大学で優人を待ち伏せして、みんなの前で彼を告発した。
「私みたいな女なら、泣き寝入りするとでも思ったんですか!?」
あくまでシラを切るつもりならいいわ、と大声で昨日の夜にあった出来事を全部ぶちまけた一華。
だが、周囲の人たちは誰も信用しなかった。
昨日の夜は試合の直後からずっとみんなで祝勝会で、優人とずっと一緒にいたのだ、という。
結局、一華のことをただの頭のおかしいストーカー女だ、と周囲は逆に優人のことを気の毒がった。
じゃあ昨日の男性は一体誰・・・? 一華は座り込んで泣くしかなかった。
5人の世良優人
世良優人の自宅。
優人は帰宅して、地下室に直行した。
「変な女にからまれたじゃねえか」
文句を言った相手は、まったく同じ顔をした「世良優人」たち。
「世良優人」は、そこに5人いた。
「俺たち世良優人の伝説はこれから始まるんだよ」
「パーフェクト ヒューマン」第一話の感想
天使のような顔をした、悪魔のような男・世良優人は謎に満ちた人です。頭脳明晰で運動もできる文武両道な万能人間・・・というのは表向きで、じつはそれぞれの分野を担当する「5人の男」がいた、という設定。
プロボクサーとして活躍したのは、一華がお礼を言ったちょっと凶暴そうなほうの優人で、あとはガリ勉系優人、ミュージシャン系優人、など得意な分野に特化した人材がそろって「ひとりの人間」を演じています。
だからこそ、完璧超人が生まれたのでしょうが、その目的はまだ不明。
1話のラストで「バレたら終わりなんですから」「忘れんなよな。今まで何のためにこんな窮屈な思いしてきたのか」と優人たちが話し合っていましたから、彼らは幼いころからずっと何の目的のためにこんなことをしているのがうかがえます。
第2話の感想
パーフェクトヒューマン(漫画)ネタバレ 第2話 高橋一仁
18歳の世良優人は、帝都大学主席合格の優秀な頭脳、そして彗星のようにボクシング界に現れた天才ボクサーとして世間から注目を集めます。
しかし、それは表向きの顔。その裏では、5人の同じ顔の男がひとりの「世良優人」を演じているという、とてつもない秘密がありました。
かれらはなぜ、世間を欺いてそのようなことをしているのか。その秘密の一端が明かされる第2話です。
作品名:「パーフェクト ヒューマン」
作者:高橋一仁
「パーフェクト ヒューマン」第二話あらすじとネタバレ
非凡な天才「世良優人」が5人いる事実
頭脳、運動能力、くわえて多くの女性たちを魅了するその容姿。世良優人は非の打ち所がない万能さで、世間から騒がれている存在となる。
だが、誰にも知られてはならない「秘密」を彼は隠していた。
それは「世良優人」が実は5人で作り上げた存在だ、ということ。
まったく同じ顔をした5人の男たちが、「世良優人」の自宅の地下室で暮らしていた。
シロ、クロ、モモ、アオ、アカの会話
彼らが唯一、本当の自分をさらけ出せる場所、それが地下室だった。
外では「世良優人」だったが、それぞれにニックネームをつけている。
「シロ」は、思春期真っ只中でこの中で最もまともな感性を持っている男であり、チカンから遠藤一華を助けたのも彼だった。
遠藤一華がシロと勘違いしたのが「クロ」で、ボクシングの試合で勝った、粗暴な男。
「この家に生まれて、一人でイイ子ぶってなんの意味があんだよ?」
クロは変な女に絡まれて助けられたとか言われたのはおまえのせいだろ、とシロを責める。
「アオ」は机に向かって勉強する、いかにもインテリな男で学業を担当しているらしい。
「今更、この人生を降りたところで他に選択肢はない」とシロを諭す。
「そーよ! どーせなら楽しまなきゃ、スター家業」
「モモ」は、ヘアバンドがトレードマークでオネエ言葉で話す、ちょっとチャラけた男だ。
そして5人のとりまとめ役になっているのは、「アカ」であり、今後の「スター家業」について計画を練ることになる。
将来を嘱望された若手スター
北見蓮は幼いころから演劇を始め、22歳になった今ではその甘いマスクと演技力で実力派若手俳優として成功への階段を上りつつあった。
大学ではどんな美女でもよりどりみどりで、女のほうから寄ってくる。CMでブスをお姫様抱っこしてやっただけで、女たちはキャーキャー騒いで喜ぶ。
そしてやっと、長年の夢だった世界に誇る大巨匠と呼ばれる板野マレ監督の新作に主演のオファーがきたのだった。北見蓮は俳優として、まさにどんな望みも思いのままの絶頂期に向かっていた。
世良優人にすべてを奪われる北見蓮
「誰にも負ける気がしねぇよ」
本心からそう思っていた北見蓮だったが、ある時からその自信が崩れ始めた。
CM契約の打ち切りに始まり、映画の前の舞台では閑古鳥。一体、何が起こったのか・・・?
さらには、今まで自分の言いなりになっていた女たちまで「忙しいから!」とドタキャンして彼に見向きもしなくなる。
理由は、最近急に目立ち始めた世良優人、という男のせいだった。
「まぁたお前かあ・・・」
CM契約もとられ、女性ファンたちも世良優人に夢中になり、北見蓮の株はどんどん下がっていく。
「パーフェクト ヒューマン」第二話の感想
世良優人は実は万能の天才ではなかったけれども、個々の実力自体はすごいものです。
世良優人の伝説づくりについて、「そんなのあの人が勝手に言ってるだけじゃん」というシロの言葉から、5人で1人の天才を演じさせている「誰か」の存在を匂わせています。
勉学、スポーツで一流となった彼らのつぎの狙いは「スター家業」で、スターの座を奪うターゲットとして北見蓮が選ばれます。
かなり調子こいてる若手俳優なので、世良優人の力でスターの座を奪われ、転落していってもあまりかわいそうな気がしませんでした(笑)
自分は最高の演技力で女性をうまく騙していると考えていましたが、優人は一枚上手で北見にはとうてい叶う相手ではありません。
今まで半ば見下してきた女性ファンから見放され、焦りだす北見蓮に対して世良優人はさらに容赦なく奪い尽くしていきます。次回へつづく。
第3話ネタバレ
パーフェクト ヒューマン(漫画)ネタバレ結末 第3話 高橋一仁
5人の「世良優人」たちが狙う「スターの座」でターゲットとなった、将来を嘱望されている若手俳優の北見蓮。CM契約、女性ファンを奪われ、さらに長い間夢だった憧れの大監督の映画出演までも・・・。
その狡猾さ、天才性で着々と計画を進めていくダークヒーロー・「世良優人」の悪の魅力が花開くお話です。
作品名:「パーフェクト ヒューマン」
作者:高橋一仁
「パーフェクト ヒューマン」第三話あらすじとネタバレ
お姫様抱っこでファンをすべてとられる
テレビでは帝大生ボクサーとして話題の世良優人が、北見蓮の舞台会場の前で「お姫様抱っこ500人達成!」とイベントを開き、すっかり北見蓮の影は薄くなってしまう。
テレビCMでも、精悍なボクサーとして映る世良優人は「場外戦では世良優人に軍配!」などともてはやされていた。
ほんの少し前までは、自分がそこにいたはずの「スターの座」。
ツイッターのフォロワーも激減し、ブログも注目を集めてはくれない。
どんどん離れていくファンに、北見蓮は気がおかしくなりそうになっていた。
マネージャーの励ましが支え
自暴自棄になりかけていた北見蓮を支えてくれたのは、マネージャーの鈴木だった。
「私はずっと見てきたもの・・・絶対に大丈夫!」
と励ましてくれる。
最悪の状況でも、最後まで味方になってくれる人がいることを支えに、北見蓮は最後に残された板野マレ監督の映画にすべてをかけようとする。
最後の望みも打ち砕かれる北見蓮
だが、とうとう板野マレ監督のオファーまでダメになった。
板野監督は、世良優人が舞台で「5人の別人格を演じる劇」を見て彼の天才性に打ちのめされ、新作をつくる気力がなくなったので引退するというのだ。
世良優人のせいで、自分の栄光すべてが奪われてしまった北見蓮は「(世良優人は)天才でした」という板野監督の言葉を聞いて、精神が壊れ始める。
「おまえさえ。いなくなれば俺はまた・・・」
夜の公園でランニングをしていた世良優人を待ち伏せ、カナヅチを持って襲いかかるも、あらかじめ張り込んでいた警官に逮捕される。
「タレコミどおりだ」
北見蓮は、最後に信頼していたマネージャーにまで世良優人に取られて裏切られており、彼自身はそれを知ることはなかった。
「パーフェクト ヒューマン」第三話の感想
ダークヒーロー・世良優人は、一片の情けもなく北見蓮を追い詰め、彼から見事に「スターの座」を奪い取りました。
大監督を引退させるために、「一夜漬けの芝居」を演じて見せた世良優人は、「多重人格の物語で、主人公は5人の別人格をもっている」という設定で舞台に立ちます。
それを見て「天才だ!」と思わせてしまったわけですが、演技ではなく本当に「5人の別人格」だったので難なく騙せた、というトリックでした。
「俺はモテモテの実力派俳優」というイケイケだった北見蓮が「ギャハハ!天才ずっるぅーー!神様超ぉー不公平!!」と叫び、優人のせいでだんだん壊れていく姿には、ある種のカタルシスがあります。
事件を利用して、国民的有名人へと近づいていく世良優人ですが、クロが語る「あのクズ人間の息子なんだからよ」という言葉には彼らの背後にあるものが匂わされています。
黒幕は、一体誰なのか・・・。次回へつづく。
第4話感想